クリスマスの別れ

 

9月24日、公園から保護したキジ白猫の十兵衛くん

はじめはリリースの予定だったけど、ケガや風邪症状があってすぐに戻せず、ケージを用意して入ってもらったらケージの中でほとんど寝ていて、出して欲しいと全然言わないのでそのまま保護することに、それから療養生活を送っていた

 

可愛い可愛い十兵衛くん、呼ぶと駆け寄ってきて頭をコツンとすり付けてくる甘えん坊さんだった

 

十兵衛くんの体が、何か重い病気のせいで大変だということを、私は分かってあげられなかった

 

12月25日クリスマスの朝に、十兵衛くんはその一生を終えて、ぐっすりぐっすり眠ってしまった

 

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去勢手術のときはリリースと思っていたので、耳カットはしてもらって、

でも妹が、

「戻すの? だって風邪ひどいじゃん、鼻通ってないよ、食べられなくなったらどうすんの」と言うので、

たしかに鼻づまりはひどくて、ズズ、、とか、ゴゴ、、というにぶい音がしていた。

 

風邪症状の他にFIV猫エイズ陽性だったので、ケンカをしてしまったら大変ということで、すぐに保護猫たちと一緒の部屋には出来ず、単独でおけるお部屋もないので廊下にケージをおいて

昼間ケージを開けていてケージから出ても、すぐに戻るし、玄関が開いてもお外に出ようとする様子は全くなかった。

 

ケージで一日中寝ていて、

今までお外で苦労してきたんだから、いくらでもゆっくり休んで欲しいと思っていた。

 

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ご飯ご飯!と騒ぐけど、気入らないのはあまり食べなくて、どういうのが好みなのかいろいろ用意したりして、そっちもこっちも手をつけて半分でやめて、でも置いておくと食べる時もあって、

お外ではいろいろ食べていたんだろうから贅沢なんだろうなぁと思っていた。

 

お薬は断固拒否で、飲み薬はとても大変、ご飯に混ぜても食べないので、治療はまずコンベニアを使ってみた

健康食品も食べてほしくてご飯に混ぜてみたけど、食い付きが悪くて、おいしく食べてほしいから、細かいことを気にしなくなったらまた徐々に混ぜてみようと思っていったんやめた。

 

コンベニアを2回使って、あまり効果がないようなので、なんとか飲み薬を飲ませてみようということでやってみたけれど、錠剤を飲むのも粉薬をシリンジで飲むのもとても嫌がって、はじめのうちは何回も失敗してしまった

 

少しずつ体重が減ってきたけど、動かないから筋肉も落ちるだろうし、慢性の副鼻腔炎になっていて、FIV陽性だととても治りにくいと病院の先生にも言われていたので、良くなったらたくさん食べられるようになるからと思っていた

 

いつも、私や妹のあとを追いかけて、何か食べたいと要求していた。

 

足元についてきて、一緒にリビングに入る

 

公園にいた時は、よく顔や首のあたりに怪我をしていたと餌やりさんが言っていたけれど、

決してケンカをしたいわけじゃない

たくさん猫たちがいるけれど、ケンカをしなくてもいいし、警戒もしなくていい

十兵衛くんはここが安心な場所だとすぐに分かったみたいで、シャーと言ったのは最初の2、3回しかない

 

 

一生懸命食べようとしても、あまり食べられす、

 

食べても足りていないようで

 

衰弱してきていた

 

 

公園に行ったとき、数メートル離れたところに、ぽつんといた十兵衛くんに、おやつをあげたくて用意していたら、近くにいた女性が、餌をあげるんですか?あの子に? 可愛いですよね、癒されますよね、と言った。

あの子に癒してもらっているの?と、ちょっと嫌味を言いたくなったけど、同じ光景を見たって感じ方は同じじゃないだろうし、知っていることも想像することもみんなそれぞれ違うと思うので何も言わなっかた。

 

捕獲して車に積み込むとき、釣りをしていたお兄さんが、「連れてっちゃうの?」と聞いてきた

その時は、リリースの予定だったので、「またすぐに戻ってきます」と答えた。

きっと公園の人気者だったに違いない

私が知らない十兵衛くんの、公園で過ごした日々、餌やりさんや釣りをする人、通行人の人たちからご飯をもらって生きていた毎日が何年もあった

 

 

食べよう食べようとしているから、もう少ししたらきっと元気になる、もう少ししたら、と

状態が悪くなっている深刻さに気が付くのが遅れた

遅すぎた

 

症状は重度の貧血で

総タンパクの値も上昇していて、腫瘍やFIPなどの可能性

白血球の値も高く細菌感染や炎症の可能性、飲んでいた抗生物質はあまり効果が出ていなかった

 

立っているのもたいへんな状態と言われたけれど

十兵衛くんは、相変わらず私や妹のあとを追いかけて、甘えたりご飯を要求したりしていて

そこまで悪いと思わなかった

 

長い時間をかけて、少しずつ悪くなってきていて、体が慣れてしまっているんでしょう、と

 

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「猫は隠すからね」

仲間のボランティアさんがそう言って

 

分かっていたはずだったのに

 

十兵衛くんの「本当」に気が付いてあげられなかった

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24日の夜、

目がうつろで、

十兵衛くんはもう逝ってしまうんだとわかった。

 

十兵衛くん、お薬効いてこないかなぁ

もう何日かしたら、今度こそ良くなってくるかもしれないけど、ダメかなぁ

 

夜中12時ころ、大好きなかつおのおやつを少し食べて、

トイレでおしっこをして横になった

朝方5時頃、起きようとしたけれどバランスが取れなくて起き上がれず、前足を動かして起きようとしたけどやっぱり起きられないのであきらめてまた横になった

あまり長くないような感じがしたので、妹が抱っこしてくれて

 

どんなにお願いしたって、

もう無理みたいだから

 

あまり苦しまないで眠れるように願った

 

午前8時

十兵衛くんは手の届かないところにいってしまった

 

 

可愛くて可愛くて、幸せになって欲しかったのに、何もしてあげられなくて

すっかり痩せさせてしまって、

ほんとにごめんなさい

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強くて優しい十兵衛くん

きっとたくさんの人たちから愛されてた十兵衛くん

 

おつかれさま

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  「クリスマスの別れ」への6件のコメント

  1. 2014年12月28日 9:21 午後

    やっぱり十兵衛にはいちごのベットが似合う。うんうん、やっぱり私好み。
    輪廻転生。きっとまた生まれ変わって近藤さんちに来るよ。顏デカ子猫見つけたら、きっと十兵衛だよ。

    看取るとき、最初は「がんばって」って、別れたくないから言うんだけど、最後は、少しでも楽に逝ってほしいから「もういいよ」って言う。猫って、飼い主の期待に応えようと、一生懸命頑張るんだって。だから、もう十分って最後は、言葉で伝えるようにしています。

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    • 2014年12月28日 10:39 午後

      34さま
      ほんと一生懸命に頑張ってくれました
      ダメダメな保護主だから、呆れられてるかも…(・_ ・;)
      でもいつか、生まれ変わってきてくれて、また出会えるかもしれないなら、しっかり目を光らせておかなくちゃ!

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  2. early
    2014年12月29日 10:06 午後

    お疲れ様でした。
    年も病歴も判らない成猫を保護する、って、もしも、の覚悟が必要ですね。
    ダメダメ保護主なんかじゃありませんよ。
    色々ご飯を用意してくれて、きっと嬉しかったと思うよ。
    私も見習って頑張ります!

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    • 2014年12月30日 7:14 午前

      earlyさま
      励ましのお言葉ありがとうございます
      十兵衛くんがいないケージを眺めたり、ワクチンの証明書をみても、なんというか、目から水分が出てきてしまいます
      でも、いつまでもメソメソしていたら十兵衛くんに笑われてしまいますので私も頑張ります( ^。^ )
      お互いにたくさんの保護猫たちが元気に毎日を過ごせるように気を抜けませんよね☆

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  3. 2014年12月30日 2:05 午後

    公園で可愛がられていても、なかなか看取ってもらうことなどないでしょう。

    温かい方が最後を見守ってくださったことに感謝です。

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    • 2014年12月30日 10:06 午後

      りんママさま
      メッセージありがとうございます☆
      十兵衛くんがいなくなってしまったのが辛くて、ああしていたら、こうしてればと悔んでしまいますが、お外にいたら独りで最期をむかえることは間違いありませんし、寒さから守ってあげられたということだけは確かなんだと思います
      これからも、きっと、十兵衛くんのような子に出会うこともあるだろうし、元気に過ごしていた子が急な疾患に見舞われることもあるかもしれません。
      力が及ばず、見送ることになったときに、「ごめんね」ではなく「じゃあね」って言えるように、日々出来るだけベストを尽くしていきたいと思います。

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